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1991年度(平成3年度) | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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Academic year: 2018

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(1)

2 能動的カラー画像処理システムの開発研究

(1)高次局所自己相関特徴を用いた濃淡画像の認識

電子部 佐 藤 辰 雄

高い方法で、しかも並列処理であるため安価なパソ

コン等でも極めて高速に処理できる。また、赤穂等2

はこの高次局所自己相関特徴を基に、対象の大小や

回転に対して不変な特徴を構成するカ法を提案し、 手書き数字などの認識に応用した[7,8]。

本研究では、この手法を濃淡画像が扱えるように

拡張し、応用の例として、人の顔の識別の実験を行 った。

ところで、人の顔の識別はそれ自体が一般の画像

認識とは別の意味で興味のある問題であり、セキュ リティーなどの面で個人の識別のニ」−ズは高く、多 くの研究も行われている[9]et c.。ここでは顔画像

の特性などといったこの間題に特有の性質とは切

関係なく、汎用の濃淡画像認識手法で実現したもの

であり、この手法がそのまま他の2値化困難な問題

に適用できることはいうまでもない。 1 はじめに

画像による認識や計測などを行う場合、その対象

とする画像としてこれまでは2値画像が多く使われ

てきたが、最近は性能向上のため濃淡画像を使う必

要が指摘されている。濃淡画像が2佃画像より情報

量が多いことから、より複雑な対象、より複雑な問

題、より高精度な計測等への適用が期待できるから

である。しかし、情報量が増える分だけ計算量や計

算時間が増えてしまうので認識や計測の方法が問題

となる。

画像計測やパターmン認識は以前から多くの研究が なされており、また、産業分野などでは実際に応用

されている例もかなりある。これらの多くは、その

課題ごとの画像の特性に着目し、画像中の対象の縁

どりを切り出して莫円度がどうだとか慣性モーメン

トがどうだといったような、有効と思われる方法を

(ヒューリスティックに)次々と適用して、決定木

を構成するといった逐次的な手法をとっており、処

理時間が長い、課題ごとにプログラムやアルゴリズ

ムを開発しなおさなければならない、等々の問題が

あった。

この間題を解決するため大津等1[1,2,3,4,5,

6]は、高次局所自己相関と多変量解析に基づく2段

階の特徴抽出方式を提案し、それを2値画像に適用

して、適応学習型汎用画像計測認識システムを実現

し、さまぎまな画像認識や画像計測の課題について、 その有効性を示した。これは、例となる画像とそれ

に対応する答とを示すことにより、システムがその

課題に有効な特徴を適応的に学習できる、汎用性の

2 パターン認識

パターン認識はパターン空間(複稚なパターンの

集合)からカテゴリー空間(分類されたカテゴリー

の集合)への写像としてとらえることができ、その

写像は、それぞれのカテゴリ、=−=−−【を最大限に分離する

ものであることが望まれる。

線形判別分析は、クラス内の分散を最小にし、ク

ラス間の分散を最大にする線形写像を構成する多変

量解折手法である。

線形判別分析に基づいて構成された線形写像を用

いれば、適応性のある汎用のパターン認識システム

を実現できる。

2,1線形写像と線形判別分析

肯クラス(カテゴリー)〈G〉た1に分類される特 1電子技術総合研究所 知能情報部長

(2)

2.2 線形判別分析に基づくパターン認識の手順 1.学習サンプルとして与えられた特徴ベクトル

を使って固有値問題を解く。

2.固有偵問題の解として得られた固有ベクトル を使って未知の計測パターンを判別空間にマッ ピングする。

3.判別空間上で、何らかの識別ル、ノー【−−ルに基づい

て識別する。ここでは各クラスの学習サンプル

の平均ベクトルと計測パターンのベクトルとの

ユーーク リッド距離を計算し、距離最小のルール

・l ∴.● ...・‥/ノ.∴. ′ J .− . ■ J ノリ した。

徴ベクトル(パターン)Ⅹ∈ガ′

t ′

があり、これを、よ

り少ない次元数で、しかも、各クラス問の分離を貴

大限強調するような新しい特徴)7∈ガ\′ に写す線形 写像

y=A′ Ⅹ,(ガ†′ →が「)

を線形判別分析に某づいて構成する。 最適な係数行列Aは、固有値問題

(1)

(2)

∑β A=∑∼ノーノdA, A′

∑t ÷ ノd=J 、

の解として求まる。ここに、Ⅳは判別空間の次元で

Ⅳ≦呈ni n(Å一1,〟)、∑βおよび∑一寸′ はそれぞれ

次式で定義されるクラス問共分散行列、クラス内共 分散行列である。

∑β= ∑軌(文鳥一文Tl )(束Å【豆r )′

んl

ノr

亮一ノ= ∑輌∑ん

ん1

∑.左 = E(x一文々)(Ⅹ¶ 文ふ)′ (ゐ=1.リガ)

G

兎ん = Ex (ゐ=1,‥ ,好)

G

兎T =Ex

3 高次局所自己相関特徴

3.i 高次自己相関関数と高次局所自己相関特徴

自己相関関数は、1た行移動に対して不変であること

が知られている。その高次への拡張が高次自己相関

関数である。一般にⅣ次自己相関関数[1n]は変位

ベクトル〈al ,a2, aⅣ〉に対して次のように定

義される。

Ⅹ、▼ (ai ,a2,… ,恥)=

/′

(r )/(什al )… /(r 卜a▲ 、局r

(3)

高次白己相関関数は次数や変位のとりかたによっ

て無数にあるが、画面に対する加法性4を満たすた

め局所領域に限定しなければならない。

ここでは簡単のため次数を2までとし参照点γ

近傍の3Ⅹ3局所領域に限定する(図1)。すると変位 のとり方は並行行動により同値となるパター【ンを除

いて25種となる(図2)。 ノ∴

プ7

(J ■

Ec々及びEはそれぞれ、クラスGの平均、及び全

平均。

77烏はクラスGに含まれるサンプルの個数で77 ∑㌃1物である。

3未知パターンベクトルと各クラスの標準パターンベ クトルとの距離を調べ、最も近いクラスに識別する。 4人津等は特徴抽出に要請される基本的条件として次 の3点が重要とした。

Cl :位置に関する不変性(対象が画面内のどこにあって

も結果が同じになる)

(二2:画面に関する加法性(画面内に複数の対象があれ

ば、全体の特徴は個々の対象の特徴の和になる) C3:学習による適応性(例を示すことで適応的に学習で

きること)

「二二

図1:変位のとり方

(3)

各パターンに対応する特徴は、図2で参照点とそ

の回りの1のある画素の値の積和を全画面にわたっ

て走査することにより計算される。具体的には、次 数に応じて次のように表される。

1. 0次:

1. 0次ご

2.1次:

3。 2次:

\・ l − (6.1)

緑a)=㌢Ⅶ〈‡〉2 (6.2)

妄2(al ,a2)=仙誉+

誉〈÷

+そ+菩十2〈そ〉3(6.3)

(但し、吏。∼2はs で正規化してある。)

杓=/′ (㌻ほr (4.1)

2.1次:

3. 2次:

Ⅹ1(a)=/ハ㌻)′

(r +a)か (4.2)

Ⅹ2(al ,a2)=/パr )′

(r +al )

′ (㌻+a2)dr (4.3) ここで箱,Ⅹ1,Ⅹ2は(4.1∼4.3)式による。

またけ,††,†††)はⅩ2が例えば図3(α )の時、そ

れぞれ図3のようなものである。

ロ * * * l *

(a) † † † ‖1 汗)*F二【j はdol l つt car eである

図3:特別な1次のパタ疇ンの例

4 画像ピラミッドと特徴スケール空間

4.1画像の解像度

高次局所自己相関特徴などの局所的特徴を用いた パターン認識を行う場合、その認識対象によっては、 解像度が細かすぎると認識にとってあまり重要でな い細かな違いのみをとらえたり、逆に解像度が粗す ぎると重要な特徴をぽかしてしまったりする可能性 がある。つまり、認識対象ごとに最適な解像度があ ると考えられる。

4.2 画像ピラミッド

種々の解像度の画像データをまとめて扱う表現法 として画像ピラミッドがある。

画像ピラミッドは、1枚の画像を異なる解像度で

表現した画像データの集合であり、図4に示すよう

に最初の画像を最も高い解像度とし、その中の小領

域の画像から新しい画像の1画素を得るような写像

を再帰的に定義していくことで構成される。 ここでは、この写像として最も簡単な2x2領域

の算術平均を用いた。 注)*和服doI l ,t ca.r eである

図2:2次迄の独立なマスクパタ鵬ンの例

3.2 入力画像を平均値で割って正規化した画像の

高次局所自己相関特徴

画像′ (r )の面積をs として次のように表される。

1.0次ご

支0=1

ヾ 妄】(a)=−「Ⅹ1(a) Ⅹ盲

(5.1)

(5.2)

2.1次:

3. 2次:

嘉2(al ,a2)=Ⅹ2(al ラa2)(5・3)

(但し、吏。∼2はぎで正規化してある。)

ここでⅩ0,Ⅹ1タ Ⅹ2は(4.1∼4.3)式による。

3.3 入力画像と入力画像の平均値との差分画像の

高次局所自己相関特徴

(4)

3節に述べた特徴それぞれについて、判別分析に

基づく認識実験を行った。結果は、認識率と判別力5

で評価した。実験結果を表1に示す。

5.2 画像のスケールと画像ピラミット

実験はまず解像度の影響を調べるため、入力され

た画像から縦横(‡)ずつ縮小した7種類の解像度の

画像を作成し、それぞれの画像から計算した高次局 所自己相関時徴を使って認識の実験を行い認識率と

判別力を調べた。画像ピラミッドの例を、図6に、

結果を、図7に示す。

次に画像ピラミッド全体から計算した特徴を使っ

て同じように認識率と判別力を調べた。認識率は100

%で、判別力は1.917であった。

6 まとめ

簡約化された局所自己相関マスクに基づいた高次 局所自己相関特徴を連続値で計算し、これを初期特 徴とした濃淡画像パターン認識について研究を行っ

た。

濃淡画像からの特徴抽出は、まづ何も操作を行っ ていない入力画像から高次局所自己相関特徴を求 め、これを基に、正規化画像から特徴抽出した場合、 および差分画像から特徴抽出した場合に相当する高 次局所自己相関特徴を、画像を直接操作することな く、最初に求めた高次局所自己相関特徴を使って簡 単な代数演算によって構成する方法を検討し、その 性能を評価した。結果は、画像を正規化したり、平 均値との差分をとるなどの操作を加えた方が、認識 率、判別力ともに改善が見られた。

局所的特徴を用いてパターン認識などを行う場合

での性能を最大にする最適な解像度について、ここ では画像ピラミッドを用いて特徴のスケール空間を 構成しこれを調べた。その結果、認識率、判別力は スケールによって変化していて、中程度の解像度で 最適と思われるピークがあった。また、画像ピラミ

ッドから抽出した特徴全体を1つの特徴として扱え

ば、かなり能性が良いこともわかった。

簡単な応用の例として、人の顔の識別問題を取り 上げ、ビデオ入力装置を備えたワークステ山ション

上で画像認識システム[11]を構成した。

今後は、これらの研究を踏まえて、より実際的な

図4:画像ピラミッド

この種々の解像度の画像それぞれから高次局所自 己相関特徴を抽出し、全部まとめて一つの特徴とし て扱うことで、一種の特徴スケール空間が構成され る。その中には高解像度による精細な特徴から低解 像度による大まかな特徴まで含まれるため、これを パターン認識に使えばより高い性能が実現できると

考えられる。

5 実験と結果

実験対象としては、2値画像ではうまくいかない と思われる対象の例として人の顔を識別する問題を 取り上げた。使用した顔画像の例を、図5に示す。

5。1高次局所自己相関特徴による濃淡画像の認識

泰且:各特徴ごとの認識率と判別力

特徴の種巨額 認識率 判別力 備 考

入力画像から直接に特 86.7% 1.57

徴抽出

画像を平均値で割って

j E規化

平均値との差分

5判別力は次式で定義したものを使った。

符わ′

配意β

)ポ÷

ここで∑7、,∑β はそれぞれ判別空間での全共分散行列お

(5)

図5:顔画像の例 図6:画像ピラミッドの例

1 5 25 125 0.0625 0.03125 0.015625

(6)

[5]大津、栗出:並列学習型高速画像理解の一方

式、画像理解の高度化と高速化シンポジウム

講演論文集(1989).

[6′ ]栗田、大津:高次局所自己相関特徴に基づく

適応的画像計測、第射d産業における画像セ

ンシング技術シンポジウム講演論文集 (1989)。

[7]赤穂、佐藤、関田、梅山、大津:高次自己相

関関数を用いた図形の位置。大小および回転

不変な特徴量の構成、電子情報通信学会春季

全国大会(1991)、

J 8」佐藤、赤穂、関口㌔梅山、大津:位置、人小

および回転不変な特徴によるパターン認識、 電子情報通信学会春季全国大会(1991)。

[9]M

at t hew

Tur kandAl exPent l and:Ei gen−

f aces f or Recogni t i on,J our nal of Cogni t i ve

N

eur os ci ence,(i 990).

」10]J .A.九免1aughl i I l andJ .Ra\7i \r :N

t h−O

r der

aut oc or r el at i ons i n pat t er n r ec ogn】t l On,

I nf .andCont .12,pp121−142(1968)。

[11]T.Kur i t a,N

.O

t s u,T.Sat o:AFac eRec og−

ni t i on R/ l et hod U

s i ng H

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r der I , ocal

Aut ocor r el at i on and M

ul t i var i at e Anal y−

s i s ,11t hI APRI nt er nat i onal Conf er enccon

I )at t er n‡

てecogni t i on,(1992,t O

beappear −

し、〔】、. 場面に応用するとともに、まだ改善すべき点が考え

られるので(例えばカラー化など)、そちらも研究を 進めていきたい。

最後に、本研究は中小企業庁の補助金により大分

県地域技術起こし事業の中の1テーマとして行った

ものである。

本研究の機会を与えて下さ−二)た大分県¢工業技術

院研究交流センターの橋本所長、ならびに電子技術

総合研究所の田村情報科学部長に感謝します。また、

御指導頂いた大津知能情報部長と栗田主任研究官、 および御討論下さった情報数理研究室の皆様に感謝

します。

参考文献

[1]大津、島出、森:N

次自己相関マスクによる

凶形の特徴抽出、信学技報、PRL78−ニう1(1978), 【2]大津:パターン認識における特徴抽出に関す

る数理的研究、電総研研究報告、第818号

(1981).

[3]N

.O

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s c hem

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Pr aCt i cal ,f l exi bl e andi nt el l i gent vi s i on

SySt em

S,Pr oc .I APR W

or ks hop on Com

put er Vi s i on.pp.431−435(Tokyo,O

c t

1988)。

[4]大津:適応学習彗■ ま沙L用画像計測認識システ

ム、映像情報、21、N

o.5、pp.4ト46(1989).

参照

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